Hospitality Insightsによると、世界有数の大手旅行会社であるTUIの戦略が変化してきている。

これまでは、長期間にわたって自社運航のフライトと自社ブランドのホテルを組み合わせてTUIの代理店か公式サイトでしか買えない旅行商品によって差別化してきており、記事でも破綻したトーマス・クックに対し勝利できた理由の一つと指摘。

しかしコロナ禍での打撃を経て、自社運営ホテルの大部分を売却するなど「アセットライト」化を推し進めているところ。そして、次期CEOは今後の成長機会が見いだせる分野の一つとしてダイナミックパッケージに言及。すでに、ドイツ市場では8月初旬の1週間で売上の25%をダイナミックパッケージが占めるまでに成長しているという。

ただし、差別化戦略を放棄したわけではなく、唯一無二の商品を持つことは依然としてUSP(Unique Selling Proposition)であるとも強調している。

Hospitality Insightsでは、TUIが確立してきたブランドや販売網の大きさから、ダイナミックパッケージの取り組みが成功すれば大きなリスクを負わずに成長できるとしつつ、ExpediaやBooking.comと比肩するOTAとして顧客に利用を説得できるかと疑問を呈している。