英国のMICE専門メディアMeetings & Incentive Travelは、2024年を目前にしてインセンティブ旅行の最新トレンドを分析する記事を公開している。

現状としては、コロナ禍を経て復活傾向にはあるものの予算に縛りがある状態が続き、ワークライフバランスなどについての人々の考え方も変化し、また航空や鉄道分野でのストライキの頻度が上昇し、さらにサステナビリティやDEIなどへの意識も重要な要素となっているところ。

記事では、「単なる楽しい旅行ではなく、最終的に参加者が誇りに思えること」が最重視されている、「関係者全員にご満足いただくことがこれまで以上に大変になっている」との関係者のコメントも紹介されている。

このほかの、求められる体験の質が変化していることも指摘。訪問先のコミュニティへの恩返しなどCSR的活動が重視されるようになっているほか、ワインテイスティングやサイクリングなど世界のどこでも自分で行けばできるような体験ではなく、文化を体感したり王道から外れるような珍しいアクティビティを提供することが重要に。

そうした体験を提供するためには、現地側のDMCなどとより緊密に動き、自らの足で探し、あるいはTikTokなどソーシャルメディアで人々が「クレージーでユニークな場所」から投稿しているコンテンツにヒントを見出す必要があるとしている。また、ソーシャルメディアなどを通して人々が知識を得て関心を広げる中で、旅程も「この日の午後は自由行動、次の日の夕食はテイクアウトで」といった自分なりの方法で楽しめるものが求められるようになっているという。

さらに、優秀な成績を収めた社員など個人だけでなくパートナーなどその個人にとっての個人的なステークホルダーにインセンティブを与えたり、グループでのインセンティブではなく、個人単位で利用できる「FITインセンティブ」的なプログラムにシフトしたりする企業も。いずれも従来に比べて高い費用対効果が得られているという。