2023年も残り2ヶ月となり、海外のツーリズムメディアでも来年を見据えた市場分析やトレンド予測の記事が増えてきたので一部をまとめておきたい。

全体的な旅行需要については、かねてから予想されていたところから変わらず経済的な懸念はありつつ旅行への意欲は根強いとの見方が強い。例えば英Travel Weeklyによると、PwCは英国での業界イベントのなかで、消費者調査の結果として回答者の7割が来年の休暇に対して今年と同じかそれ以上の支出を予定していると答えたと明かしたとのこと。また、会場内の参加者の投票でも、来年の収益が「かなり増える」と考えた割合が17%、「それなりに増える」も61%となったことも紹介されている。

一方、そうしたなかでの変化としては、同じく英Travel Weeklyによると英国旅行業協会(ABTA)は旅行費用の値上がりを受けてシーズナリティの平準化が進む可能性を予測。節約として旅行中に自分にとって不必要なものから諦めようとするといった変化も指摘している。

なお、フライトの遅延や欠航、さらに異常気象などのリスクが以前よりも高まっているなかで企業としての「プランB」を常に用意する必要もこれまで以上に高くなっているとの指摘もある。

需要に関しては、グローバル・ビジネストラベル・アソシエーション(GBTA)も最新の市場動向予測を発表。BUSINESS TRAVEL NEWSによると、10月中旬に実施した調査で企業側の回答者の39%が来年の出張予算が今年を上回ると答え、さらに5%は25%以上の上昇を回答。28%は横ばいとしており、下がると答えたのは20%のみだったという。ただし、経済的懸念から現時点で出張を制限しているとした回答は全体の14%に留まったものの、25%は検討中、32%は様子見とした。

また現在の回復状況についての質問では、TMCも含めた全回答者のうち43%が完全に、またはほとんど(largely)2019年水準に戻っているとし、41%もほぼ(mostly)回復したと回答。平均では、国内出張が76%、海外が70%となり、それぞれ半年前の調査から4ポイントと7ポイント上昇したという。BUSINESS TRAVEL NEWSによると、エア・カナダも業務渡航の回復状況を70%から75%と報告している。

ちなみに北米の航空会社では、ユナイテッド航空が2024年に欧州38都市へと就航して大西洋路線を過去最大の規模とする計画。大西洋路線ではデルタ航空も来夏に過去最大の更新を予定している

このほか、MICE市場についてはBCDがレポートを発表。TTG Miceは特にアジア太平洋地域における状況について取り上げ、商談会や大型会議、ミーティング、インセンティブが回復を牽引していること、コストの上昇が懸念事項となっていること、インドや中国では製薬・医療部門のイベントが不正・腐敗防止の観点から制限を受けていることなどがトレンドとして紹介されている。

また、米業界メディアのtravelmarket reportは読者であるトラベルアドバイザーなどからの聞き取りをもとに、クルーズ販売の最新トレンドを紹介する記事を公開している。