ロシアによるウクライナの侵略に関連し、ウクライナ市民への支援やロシア側への制裁などの動きが旅行観光産業内でも続いている。

航空会社やユーロスターと並んで、ドイツ鉄道は3月1日に難民向けに無料の乗車券を提供することを発表。専用の問い合わせ窓口も設置。フランスのSNCFも同様に無料での輸送を提供している。

またTTGによると、イージージェットも機内での募金を開始。ユニセフに寄付し水や衛生設備、教育、メンタルヘルスサポートなどに使用されるという。

一方、Skiftによると、リモートワーク関連企業も難民の就職支援や、避難先での生活を支援するサービスを提供している。

なお、HOTEL NEWS RESOURCEによると、ForwardKeysは侵攻開始翌日の2月25日にロシアへの旅行予約のキャンセルが急増したことを示すデータを発表。ロシア発の海外旅行も影響を受けているが、さらに現在はロシア政府がリース機材の押収リスクなどからアエロフロートなどに国際線運航の一時停止を勧告している。

ただし、その他の国の旅行需要に与える影響は限定的との見方もあり、AIRLINE WEEKLYによると、ルフトハンザではコロナ禍からのリカバリー戦略に変更はないと見ているところ。アジア路線で迂回ルートをとる必要があるが、その追加コストはロシアへの通行料支払いがなくなることで相殺できる見通しといい、その額は欧州の航空会社にとって通常の年であれば年間4億ユーロに上るという。