世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)はフィリピンで開催中のグローバルサミットに合わせて旅行観光産業がもたらす経済効果について最新のレポートを発表し、今後10年で新たに1.26億人に迫る雇用を創出する見通しを示した。
これは全体の新規雇用の3分の1を占める規模で、WTTCでは旅行観光産業が世界経済の回復の原動力となるとしている。
2022年から2032年にかけて、旅行観光産業によるGDPへの寄与額は年平均5.8%増で推移し、14.6兆ドル(全体の11.3%)に達するとの予測。楽観的なシナリオでは2023年までに2019年比99.9%まで回復する可能性もあるとしている。2022年には寄与額が8.4兆ドルとなって2019年比13.3%減にまで回復し、全体の8.5%を占めるとの予想だ。
雇用も、2021年に6.7%増、2022年に3.5%増となり、2023年には2019年比2.7%減まで戻すと予測している。
特に成長を牽引するのはアジア太平洋地域で、今後10年間で新たに7700万人の雇用創出を期待。同時にGDPへの寄与額も年平均8.5%増で推移し、地域全体の経済成長率4%の2倍超となる見通しとした。