コロナ禍からの需要急回復に対して人手不足などで供給量が追いつかず混乱が続いている欧米の航空業界だが、現在も問題が続いている状況だ。

特に米国では7月4日の独立記念日の需要増により混乱が拡大しており、Simple Flyingによると週末だけで1万便以上が遅延または欠航となった。ただし、そうした問題や運賃の高騰があっても需要は伸びており旅客数はコロナ前を超えているという。

また、夏の需要増に備えてあらかじめ減便に踏み切る航空会社も出ているが、Travel Off Pathによるとエア・カナダも今夏に9000便以上のキャンセルを決定。1日あたり約1000便を運航しているが154便を削減するもので、ただし国際線は計画してきた規模を維持するという。

一方、欧州でも混乱は拍車がかかっており、Bloombergは「2022年に旅行する先として最悪の場所」と表現。6月にドイツ、英国、フランス、イタリア、スペインからの出発便で欠航となった便数は7870便に上り、2019年の3倍近くとなったほか、4月から6月までの欠航数は米国の倍以上に上ったという。

こうしたなかで、ルフトハンザは便数の削減に加えて7月中の短距離路線の運賃を大幅に値上げ。すべて最も高い予約クラスのみ利用可能としたもので、例えばフランクフルト/ロンドン・ヒースロー線の片道運賃は、8月には72ユーロで購入可能だが7月中は600ユーロ超となるという。

このほか、アメリカン航空もアムステルダム発便の予約受付を停止している