Breaking Travel Newsによると、ロシアによるウクライナの侵略が欧州の観光産業へ与える影響についてエコノミスト・インテリジェンス・ユニットは「ロシアとウクライナからの旅行者の減少」「空域制限」「食料と燃料コストの上昇」「旅行者の安心感と可処分所得への打撃」の4つの形で現れると分析している。

旅行者の減少については、ロシアとウクライナで以前は年間約450億ドル、世界全体の約8%を費やしていたとのこと。

影響が大きいのは特に欧州でもエストニアやラトビア、リトアニア、モンテネグロなどの国々。例えばエストニアではタリンへのクルーズ船の寄港が50%減となったほか、ラトビアでは予約の60%から70%がキャンセルに。また、ブルガリアの旅行会社ではウクライナと国境を接していると勘違いされて砲撃の音が聞こえるか聞いてくる消費者もいるという。

ただし、そうしたなかでもエストニアへの旅行者数は毎月着実に回復しており、ラトビアもスカンジナビアと西欧からの旅行者獲得に予算の大部分を振り分けるなど戦略を見直しており、モンテネグロでも同様の取り組みにより旅行者数は2019年に比べて10%近い増加を続けているという。