世界の旅行系メディアが最近こぞって「モクテル」の話題を取り上げている。
モクテルは英語のmock(真似る)とcocktailを組み合わせた言葉で日本語で言えば「疑似カクテル」を意味し、アルコールを含まないカクテルを指す。以前は妊娠中の女性やドライバー、仕事への影響を避けたい出張者などが主な消費者だったが、現在は健康志向の高まりで裾野が広がっているという。
Skiftは10月5日に公開した記事で、これまでアルコールを重要な収益源と見なしてきたホテルがモクテルに力を入れはじめていることを紹介。旅行者の健康志向の高まりを受けたもので、新たなメニューの開発を勧め増収にも結びついているという。
またBreaking Travel Newsは、カンタス航空が機内とラウンジで提供するワインを選定する作業について紹介する記事のなかで、年間何百万本ものボトルを買う同社が豪州最大の購入者であることを伝えるとともに、今年初めてノンアルコールのスピリッツとワインをテイスティングしたと伝えている。
このほか、Travel Weekly Asiaはオーシャニアクルーズが来年5月に就航予定の新造船Vistaで新しいコンセプトのミクソロジーバーを導入することを紹介したが、同時にヘルシーな料理の提供をテーマとするthe Aquamar Kitchenでは低アルコールとノンアルコールの飲み物に焦点を当てることも書いている。
さらにGLOBETRENDERは、ロンドンのフォーシーズンズホテル内にあるミシュラン2ツ星レストランがノンアルコールドリンクとのペアリングメニューを導入したことを詳報した。
GLOBETRENDERは2023年に「Sober Travel(しらふ旅行)」がトレンド化すると予想しており、急速なリカバリーの期待が高まっている訪日分野でもチャンスが広がっているかもしれない。