米国のバイデン大統領は10月26日、ホテルや航空券、コンサートチケットの予約字などを含めて本体の費用からは除外しておいて最後に後出しで請求するような手数料を取り締まる方針を発表した

インフレが家計に影響を与えるなかで、そうした不公平な「ジャンク手数料」を禁止することで一般家庭の負担を軽減したい考え。スピーチでは、宿泊施設によるリゾートフィーについても「不公平で欺瞞的な手数料」の例として言及されており、また航空会社の手数料についても触れられている。

手数料の徴収自体を禁止するものではなく、あらかじめ明示することで消費者が同意していない手数料を請求されることのないようにしたい考え。最終的な支払いの段階になって追加の手数料などを表示する手法は「ドリッププライシング」とも呼ばれているという。

ホワイトハウスの「ブリーフィングルーム」のページでは、スピーチへの補足説明が公開されており、リゾートフィーやイベントのチケット発券手数料については「ほとんどあるいは全く付加価値のない強制的な手数料」と表現され、規制を設けるための手続きも始まっていると説明されている。

また、補足説明ではそうした手数料の「市場規模」も示されており、例えばリゾートフィーは2018年に29.3億ドル、航空会社の手荷物や変更の手数料は59.7億ドルなどとなっている。

ちなみに、バイデン大統領はスピーチのなかで、航空会社が「エクストラ・レッグルーム」に追加手数料を課していることも取り上げ、そうした手数料が低所得者や有色人種に打撃となっていると語ったため、航空会社の「エクストラ・レッグルーム」が人種差別的と批判したとの捉え方もある模様。