アマデウスは2月7日、2033年までの旅行市場を予測するレポート「Traveler Tribes 2033 report」のなかで市場を形作る4つの旅行者像を発表した。
日本を含む世界15市場の1万人超の旅行者や専門家へのインタビュー、各種のデータなどを活用して分析したもので、特にテクノロジーの活用について旅行者がどのように捉え、それに対して業界側がどうアプローチするべきかを伝えている。
4つの層は、直感・体験重視の「Excited Experientialists」、思い出作り重視でテクノロジー活用には保守的な「Memory Makers」、若年層を中心としてテクノロジー全般に前向きな傾向の「Travel Tech-fluencers」、そして冒険好きで新しい経験にも積極的な「Pioneering Pathfinders」で、それぞれの概要は下記の通り。
Excited Experientialists
人生にも旅にも「とりあえずやってみる」姿勢で、44%は子どもがなく柔軟な働き方ができる中・高収入の仕事に就いているのが特徴。「人生は一度きり(YOLO)」の考え方で直感的に行動する傾向があり予測不可能でエキサイティングな宿泊体験を好み、空港での人工知能など旅のスピードアップに繋がるテクノロジーに前向き。
Memory Makers
思い出を作り、旅行先を訪れるというより単純な旅へのアプローチが特徴。44%は42歳以上で旅行行動が習慣化され、将来に不安を感じ、サステナビリティにあまり価値を置かない。テクノロジーよりも人が第一で既存の方法に安心感を抱くが、VRやARでの事前体験には前向き。
Travel Tech-fluencers
人生にもテクノロジーにも前向き。48%は32歳以下。ただしテクノロジーや旅行の未来について期待や懸念は必ずしも一致していない。サステナビリティは重視するが滞在先よりも旅行方法のサステナビリティに関心がある様子。
Pioneering Pathfinders
常に次の冒険を探しながら速いペースで生きる人々。92%が23歳から41歳で、計画を立てるのは好きだがリスクも恐れず新しい経験にも積極的。全グループで最もサステナビリティを重視。暗号通貨やVR空間での購入など新たな決済手段に前向き。
これらの層の割合は、世界全体ではPioneering Pathfindersが43%で最も多く、次いでExcited Experientialistsが25%、Memory Makersが17%、Travel Tech-fluencersが15%の順。しかし日本に限るとMemory Makersが41%と圧倒的で、2番目以降はExcited Experientialistsの28%、Pioneering Pathfindersが25%となりTravel Tech-fluencersは7%に留まっている。
一方、2033年の旅行への期待では、世界全体は「目的地への移動時間が短縮」が44%、「旅行より鮮やかに思い出せる」が36%、「環境負荷を軽減できるようになる」が35%、「旅行中のトラブルを減らせるテクノロジーの登場」と「新たな決済手段により旅行がよりお得に」が34%の順。
これに対して日本では、「移動時間短縮」が50%、「鮮やかに思い出せる」が43%と平均より高い一方、「環境負荷の軽減」は32%で5番目となり、代わりに3番目に多かったのは「新決済手段による値下がり」が38%となった。また、「旅行の要素がよりパーソナライズされる」が33%で4番目に入った。