TTGによると、スペイン観光推進局総局長のミゲル・サンス氏は英国で開催した業界向けイベントの場で、顧客である旅行者がサステナビリティへの意識を向上しより環境や社会への負荷が低い旅行を選択するように教育することは旅行業界や旅行会社の責務であり、今以上により真剣に取り組む必要があると訴えた。

旅行観光産業の進歩を自ら世の中に発信していく必要があるとの考えで、デスティネーションや利用企業によるサステナビリティの取り組みを伝えていくべきと呼びかけ。

このほか業界で広く共有されている「2050年にネットゼロ」の目標に向けてもエネルギー効率や節水、ごみ処理など様々な面で取り組みを加速させる必要があると訴えたという。

また同じイベントでは、そうした社会への発信や旅行者への教育に際しての「伝え方」に改善の余地があるとの意見も示されたとのこと。具体的には、環境問題についての「恐怖」や「罪悪感」が意識の中心になってしまい、体験や食事、リラックス、自然といったポジティブなメッセージが伝わらず、結果として消費者は意欲はあるもののサステナブルな選択肢を選ばずにいると指摘されている。

なお、旅行観光産業におけるサステナビリティ関連の最近の話題では、CBREホテルズリサーチの調査でホテル業界による二酸化炭素排出量削減の取り組みが他の業界に遅れを取っていると指摘され注目を集めている