GLOBETRENDERによると、グローバル展開している富裕層向け旅行コンソーシアムのVirtuosoの業績が好調に推移している。
Virtuosoは世界54ヶ国の旅行会社1200社・アドバイザー2.1万人が参画し、さらに100ヶ国超の富裕層向け旅行観光系企業2300社とも提携し年間で280億ドルから320億ドルの売上を確保しているが、今年の上半期は売上高が昨年を36%上回って過去最高を更新。しかも、コロナ禍からの反動が理由ではなく、2019年比でも69%増となっているという。
一因はホテルの宿泊料金の高騰で、ラグジュアリーホテルの今年の平均宿泊料金は世界全体で2019年比58%増となっているものの、それ以外でもクルーズの販売が106%増、ヨットでの旅行も79%増となっている状況。Skiftによると旅行代金の平均は1万ドルから5万ドルとなっており、さらに米Travel Weeklyは流動資産が100万ドルを超える潜在顧客が2021年から2026年までの5年間で1600万人増えるとの予想も伝えている。
傾向としては、費用よりも自分の期待に見合う旅行を求める顧客が全体の57%となり、コロナ禍で親しんだ貸し切りなどのエクスクルーシブな体験が人気。またコロナ禍での抑圧があってか精神的・肉体的な挑戦を伴う過酷な体験や冒険的な旅行も需要が高いとのこと。またウェルネスとセルフケアは全体の94%が旅行に組み込んでいる。
さらに、飲食でも、種類の醸造所や蒸留所への訪問を最高の食事関連の体験と評価する層が全体の88%に達したほか、多くの人がミシュラン星付きのような高級レストランよりも屋台料理を試すことを優先するなど「farm-to-table」よりさらに進んだ「neighborhood-to-table」の超ローカル体験の需要が高まっているところ。
また、行き先でも熱波の影響で北欧の人気が高まりつつある傾向が見られるほか、今後は探検クルーズやサウジアラビアやオマーンなどの新興デスティネーション、F1などの特別なイベントを目的とした旅行が伸びるとの予想も示されている。