米Travel Weeklyによると、コロナ禍で米国本土からのリベンジ需要を獲得してリカバリーが進んでいたハワイだが、ここに来てその国内旅行需要の減退が報告されている。

Pleasant Holidaysでは、第1四半期は絶好調で4月も堅調だったものの5月に横ばいとなって6月以降の年内は2桁減が続いている状況。特に7月は30%減となっており、通年でも2019年並みかそれを下回る可能性を懸念しているという。

ハワイ・ツーリズム・オーソリティの4月のホテル実績でもRevPARと稼働率がそれぞれ前年比で2.2%減と2ポイント減となり、稼働率については2019年も下回ったとのこと。ADRは前年比0.5%増とわずかに上回ったが、5月も同様の状況が続いているという。

不調の原因は競争の激化で、コロナ禍で海外旅行を選ばなかった富裕層が他のデスティネーションを選択するようになり、特に欧州の人気が上昇。ハワイのADRが5月までの12ヶ月間で平均381ドルと過去最高水準となるなど、ハワイと欧州で旅行代金が変わらなくなっていることも理由となっている。

今後については、需要の減退で料金が下がる可能性もあり得るが、実際には少なくとも今のところは目立った値下げの動きはないとのこと。ただし日本人旅行者の回復遅れが響いているオアフではやや動きが出ているといい、アウトリガーのCEOも稼働率維持のために料金を調整する可能性があると示唆している。

(追記:2023年7月11日09時52分)米Travel Weeklyが7月10日に公開した別の記事によると、5月の訪問者数は2022年比3.2%増。米本土からの旅行者数も2019年比10.7%増となり、25ヶ月連続で2019年の水準を超えたとのこと。一方、全体の旅行者数が回復するのは2025年との予想も示されている。