今週お送りしたメールマガジンで最も多くクリックされた記事は、欧州のワクチンパスポートについて概要をまとめた記事でした。このように、自分自身が「結局なんなの?」と感じているテーマは皆様も同じような疑問をお持ちのことが多く、個人的には一つの成功パターンとなっています。
例えば前職でコンカーについてまとめた記事もたくさんの方に読んでいただいており、しかも、本稿を書くために調べて気づきましたが、Googleで「コンカー」と検索して公式サイトの次に出てくるのがこの記事になっていたようで嬉しく思います。
さて、そのEUのワクチンパスポートですが、仕組みは共通ながら発行自体は各国に委ねられており、日本から行って発行してもらおうとすると、ワクチン接種歴を証明する書類など求められる資料を提示して各国の発行主体に妥当と判断してもらう必要があります。
しかし、その判断はシステマティックにされるものではなさそうで、EUのウェブサイトを読む限り、同じ資料でも国によって、あるいは人によって判断が異なる可能性を否定できません。現地オペレーターの皆様からの正確な情報があれば安心できるかもしれませんが、まあ実際のところは取得例が多くなることはないでしょう。
とはいえ、何度も書いていますが、日本側も諸外国との間でワクチンパスポートの相互認証を開始したい考えを示しており、日本側での発行は計画通りなら月内に始まりますので、9月頃には欧州を含め一部のデスティネーションとの間で往復とも隔離の不要な往来が実現できている可能性はあります。
まさにアウトバウンドとインバウンドそれぞれにとって復活の切り札であり、コロナ禍では計画通りに行くことのほうが少ないので過剰な期待は禁物ですが、実現に期待がかかります。
ただし、このように前向きな話題に勇気付けられたと思ったらすぐにネガティブな出来事で心を折りに来るのがコロナ禍の特徴で、今週は緊急事態宣言が明けてから2週間ちょっとしか経っていないのにまた出されることが決まり、そうなるだろうと予想していたとはいえ日本という国の頼りなさに愕然としてしまいました。
このような希望を感じては落胆しての繰り返しは多くの人にとって大きな精神的負担になっているはずで、なんとか苦境を乗り切った後に機動力高く行動できるだろうか、これからの日本の社会は大丈夫なのだろうかと不安になってきます。
まあ、そうは言っても自分の手が及ばない範囲のことは考え過ぎても仕方なく、とにかく今は耐え抜くしかありません。「禍福はあざなえる縄の如し」と言いますが、これが正しければコロナ「禍」の後にはものすごい福が来ることになります。きっともう少しの辛抱ですので、なるべく心安らかに気力と体力を蓄えておきたいと思います。(松本)