コロナ禍への対応が各国で分かれ始めている中、ホテルの稼働率にも差が出ている。HOTEL NEWS RESOURCEによると、ベルリンの7月の稼働率は48.5%で、2020年2月以来の最高水準を更新。またRevPARの36.76ユーロもコロナ禍での最高値となった。ADRは75.8ユーロで昨年10月以降で最も高い数値という。
一方、ロックダウンに苦しむシドニーでは稼働率が18.7%となり、STRが把握する限りの過去最低を更新。ADRの147.08豪ドルも昨年4月以来の低水準という。RevPARは27.44豪ドルだった。
また、米国では8月7日までの週の稼働率は68.0%となり、他国よりも高い結果ではあるものの、過去4週間で最も低い数値となった。特に感染が拡大している南部で落ち込みが顕著で、ルイジアナとフロリダの両州は前週を6ポイント以上下回ったほか、ミシシッピとウィスコンシンも5ポイント減となった。全体では32の州で稼働率が前週を下回っている。
ただし、稼働率の低下は客室の供給再開によってももたらされており、先週だけで4万8000室が追加。特にオーランド、ニューヨーク市、ボストンで多く、残る営業停止中の客室は6万8000室、全体の1.2%まで減少したという。
なお、上半期のデータで見ると、北東アジアの稼働率は50%で、昨年の36%は上回ったが2019年の68%と比べると大きく下回っている状況。また、オーストラリア/オセアニア地域も2019年は73%であったが今年は53%となり、2020年の45%は上回った。東南アジアは2019年が66%、2020年が39%、2021年が35%と減少が続いている。