Travel Weeklyによると、11月3日まで開催中のWTMロンドンに合わせて発表された調査結果で、旅行観光産業の経営者の27%がサステナビリティを一番の課題であると回答した。また、一番ではないもののトップ3に入っているとの回答は43%に達したという。
調査は世界中の産業内の経営者700人近くに聞いたもので、このほか英国の旅行者1000人にも聞いている。
サステナビリティをトップ3の課題と捉えていない回答者の割合は22%で、今のところ考えていないとの回答は7%に留まった。
一方、英国の旅行者のうちこれまでにカーボン・オフセットを利用したことがあるのは39%で、8%は毎回、15%は頻繁に、16%はたまに利用しているという。ただし、カーボン・オフセットが何か知らないとの回答も24%あった。
一方、PhocusWireによると、ASEAN各国の4600人の旅行者を対象に実施した調査では41%がサステナブルな選択肢が利用可能であることを知らず、40%は知っていてもそれを見つける方法が分からないと答えたという。
利用する上での障壁はコストで、27%が高すぎると回答しており、別の調査では消費者の73%がサステナビリティのために追加で金を払う意志があると答えたものの、実際に排出量を相殺したのは1%に留まった。
また、実際に追加料金を支払っても記載された通りの目的に使われているか疑わしいと透明性を疑問視する声も高まっているという。
PhocusWireの記事では、問題は旅行者にあるのではなく、むしろ持続可能な選択肢を提供する責任を旅行会社が果たす必要があると指摘。環境だけでなく、ダイバーシティやインクルージョンへの取り組みも求められるとしている。
なお、気候変動対策については国連の会議COP26が英グラスゴーで開催されているが、期間中には旅行観光産業関係者による「観光における気候変動対策に関するグラスゴー宣言(Glasgow Declaration on Climate Action in Tourism)」の署名式なども予定されている。