木曜日、岸田首相が水際対策の緩和を発表した。1日あたりの上限が5000人と定められるなど先行する他国に比べると見劣りは否めないが、条件次第では待機免除もあり得るということで、確かな前進だ。
これから気になるのは緩和後の運用の厳格さで、昨年段階的に緩和されつつあった際には要件を満たすのがかなり大変だったと聞いている。例えば旅行会社のFAMツアーは業務であるわけだが、これが認められるようになれば業界も俄然として慌ただしくなってくるだろう。
どうしても開国を受け入れがたい人々もいるだろうが、日本人も入国させない超厳格な対応は別として、入国制限に流入を防ぐ効果がないことは研究でも示されている。
また、人口が1年で40万人、1日あたり約1100人も減っていく日本は海外との関わりのなかに活路を見出す必要があるわけで、諸外国となるべく歩調を合わせてウィズコロナへと転換して国際競争力を維持していかなければならないことは論をまたないだろう。
他国と比較して見劣りすると書いたが、今週もますます多くの国が観光客の受け入れ再開を決めたりマスク着用の義務を緩和・廃止したりしている。何度も書いているが、どのような条件が揃えば何をするのか、あるいはいつ頃にどうしていたいのか、といったロードマップを日本政府にも示して欲しい。
さらに強く求めていかなければならないのは、次の変異株が発生した際にどう対応するかを決めておくコンティンジェンシープランの策定だ。オミクロン株が最後の変異株と期待することは当然できないわけで、懸念される変異株が出てくる度にパニックを起こして逆戻りすることのないよう備えなくてはならない。
先週も書いた通り、日本人の帰国を含めて入国を完全に禁止するならそれもそれ。合理的であること、そしてあらかじめ決まって共有されていることが重要だ。(松本)