隔離先の宿泊施設、欲を言えるなら…
宿泊施設の選定については、もちろん訪問先のルールが最優先だが、その次に好みや意向をどれだけ反映できるかが大切になる。例えば窓が開けられる部屋がいいとか狭いのは勘弁とか、あるいはルームサービスやアメニティがどうか、といったポイントで、また自分の住まいを探す時と同じように部屋の向きによる快適性なども隔離生活に影響する。
例えば筆者が滞在した部屋は十分なスペースにバスタブ付き、換気可能と恵まれていたが、あえて言えば午前中は寒く午後は暑いという西向き物件ならではの悩みはあった。(ただし、隔離期間中の体調の変化は喉のかゆみくらいだったと自覚しているものの、もしかしたら症状として寒気を感じやすかった可能性もある。)
着替え問題と食事問題
そして隔離に必要な「衣食住」の残りの衣と食に目を向けると、衣服については洗濯が必要になってくる。隔離している側からするとランドリーは普通に受け付けてくれるのかといったことも心配せざるを得ず、すべて自分で手洗いして干した。
また食事は、基本的にはルームサービスなりに頼ることになるはずだけれども、長くいれば飽きてくる方が自然。筆者の7日間でもそうなのでさらに長い場合を思うと工夫の必要性を感じる。また、体調次第では食欲がわかないとか食べられるものが限られるといった状況も想定され、そうした可能性にも留意したい。
ちなみに、滞在が長くなれば日本の味が恋しくなるのも当然で、筆者は海外出張に行く際にはフリーズドライの味噌汁をいくつか持っていくようにしているのだが、今回はこんなことになると思わず残っていたものを現地の関係者にプレゼントしてしまっていて後悔した。(同様に「こうなると分かっていたら」と悔いたのが歯磨き粉や保湿剤で、陽性発覚前は残り滞在日数を考えてむしろ浪費気味に使いほとんど残っていない状況だった。)
あれば嬉しいものは?
それから非常に重要なのが飲料水で、水分摂取は療養の基本中の基本なので「頼めば持ってきてくれる」では心もとない。多少あり過ぎても困るようなものでもないので最初から箱単位で入手できると嬉しい。
さらに、1人でいると無症状であっても「寝ている間に急変する可能性も?」などと不安になるもの。体温計や血中の酸素飽和度を計るパルスオキシメーターなどの備品を用意できればひとつの目安になるし、旅行会社にとっても安心に繋がるはずだ。軽症者には市販薬を渡せるようにしておくと良いと思う。
このほか衣食住が充足した次の問題は「退屈」。最近はホテルのテレビがネットにつながっていてYouTubeやNetflixなどを視聴できるようになってきているが、そうしたシステムが備わっていない場合にはAmazonのFire TVやChromecastなどを貸し出せたら喜ばれるはず。
なお、医療体制という意味では、滞在先のルール次第で現地の保健当局などからの連絡がある可能性もあり、英語に不慣れな場合でも対応を迫られる。また、所定の隔離期間が終了した際の行動要件などもあらかじめ知っておけると先が見えて嬉しい。