米国の旅行観光産業でリセッションへの懸念が高まっている。
すでに一般メディアでもBloombergが1年以内の米国でのリセッション入りは確率100%と報じたりすでに始まったとも書いたりしているが、Skiftもアメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル(Amex GBT)の決算を伝える記事で、「2023年の見通し悪化でAmex GBTの楽観論が終わる」などと表現。
これによると、GBTはアジア太平洋地域の往来再開によって業績は回復傾向にあるものの、CEOは「来年のマクロ経済の見通しはより厳しいものになっている」「2023年の出張需要に与える影響を正確に予測することは率直に言って非常に困難」などとコメントしたとのこと。
また、別の記事ではディズニーが雇用の凍結や人員削減、経費削減の一環で出張を減らすことを決めたことを紹介。社内向けのメモでは「当面の間、出張は必要不可欠なもののみに限定。出張が必要な直接のワークセッションやオフサイト(ミーティング)は事前承認が必要。できる限りバーチャルでするように。会議やその他の社外イベントの参加も制限」などと書かれているという。
また、HOTEL NEWS RESOURCEによるとUSトラベルアソシエーション(USTA)も景気後退への備えを呼びかけ。旅行需要への影響については、レジャーは堅調と見るものの、業務渡航については「回復は緩やかだが逆光はない」としつつディズニーのような判断をする企業の増加がマイナスの影響を与えるとの予測だ。
ただし、リベンジ旅行の需要の根強さも報告されており、USTAも法人団体については延期されていたイベントなどの需要が累積しており回復力を維持すると分析。また、Breaking Travel Newsによるとデルタ航空だけでサンクスギビングのホリデー期間に2019年に迫る600万人の旅客を運ぶ予定。
またGBTも景気後退に身構えるなかでも、コロナ禍でリモートワークが浸透したことでトレーニングやモチベーションアップ、チームビルディングなどの需要が高まると見ているほか、中小企業の開拓やエクスペディアグループからエジェンシアを買収してエクスペディアと提携したことなどが収益に結びつくと期待しているという。