デロイトはこのほど「2023 Travel industry outlook」を発表した。
コロナ禍が本格化した2020年4月に初めて実施した調査以降の推移を振り返ると、当初は全世界の20%強だけが国内線での移動やホテルへの宿泊計画を回答していたが、2021年以降は毎月回復。しかしそれも2022年9月に打ち止め傾向となっており、デロイトではコロナの影響がほぼ解消した一方で景気後退や2022年夏の航空便の大混乱などが回復を妨げる可能性を指摘している。
また航空運賃や宿泊費用の高騰と、それに対して人手不足、利上げやサプライチェーン問題によるリノベーション/アップグレードの停滞などで、価格に見合ったサービスを受けられていないとの不満の高まりも懸念される状況。シュリンクフレーションとも表現されるこの問題は2024年も続く可能性があるという。
一方、法人需要については2023年末までに2019年の3分の2まで回復するとの予想。こちらもレジャー同様に、コロナによる影響は解消しつつも予算などの問題から即座の回復は期待できない状況ではあるが、それでも対面での顧客開拓やネットワーキングの価値が見直されているため会議や業界イベントへの出席、営業訪問などでの出張需要が市場を牽引するとしている。
このほかレポートでは、サステナビリティやワーケーション/ブレジャーのトレンドについても取り上げており、各項目では様々な調査結果も交えて各トレンドについて解説している。