2023年もすでに2週間以上が経過したが、年末年始になると増えるのが「来年/今年はこうなる」的な記事。TRVLWIREでも新年早々にそうした記事をまとめて紹介したが、実際には全体のごく一部。そこで今回はホテル業界に特化して海外メディアの考察を取り上げる。

HOTEL NEWS RESOURCEからは2本。レベニューマネジメント担当者向けの切り口で2022年の振り返りを中心に示したこちらでは、「旅行需要の回復」「ホテル稼働率も上向き」「宿泊レートは2019年を超えはじめる」「インフレや地政学的リスク、サプライチェーン問題なども宿泊レートに影響」「出張需要の回復遅れ」「人手不足とリベンジ需要のバランスに苦慮」「予約のリードタイムや滞在日数、キャンセルポリシーなどコロナ禍で消費者行動が変化、モバイル向け割引など戦略の変化も」「民泊や短期賃貸との境界線が曖昧に」などを列挙。

もう1本は団体やミーティングなどのセールスの観点で今年のトレンドをまとめたもので、挙げられたのはこちらも「イベントやミーティング需要が回復傾向」「業況感も前向き」のほか「自動化による営業効率化」「コスト上昇」「ブレジャー/ワーケーション」「サステナビリティ/ESGへのニーズ拡大」。

需要は旺盛でありチャンスは大きいが、成功のためには質の高いデータを用いる正しいBIツールや自動化などの活用が必要になるとしている。

一方、HOTEL MANAGEMENTはマーケティングに特化した記事を公開。かいつまんで紹介すると「適切な年間マーケティングプランを立てて毎月パフォーマンスを確認し状況に応じて見直す」「1年を細分化して期間ごとにターゲットセグメントを策定しマーケティング施策を展開する」「旅行者が求める衛生、安全、持続可能性のメッセージを正しく発信する」「オムニチャネルマーケティングを活用する」「オーガニック検索に注力する」「プロ品質の画像や動画を制作し活用する」「商工会への参加や顧客訪問などリアルでのコミュニケーションを重視する」「インフルエンサーを活用する」などとした。

このほか、Hospitality Insightsはホテルテクノロジーの見通しについて記事を公開。こちらではデータ活用やBIツールの導入、それによるパーソナライゼーションの重要性を指摘。またサステナビリティのためのテクノロジーや、ゴミの削減から業務効率化、人員配置、レベニューマネジメント、市場動向予測まで多様な場面でのAI活用、さらにアプリやチャットボット、セルフチェックイン、モバイルキー、デジタルコンシェルジュなどの旅行者向けテクノロジーなども重要になっていくとしている。