マッキンゼーは5月4日、旅行業界におけるメタバースの可能性を分析するレポートを公開し、200億ドルを超えるポテンシャルがあると指摘した。
すでにコンサートやEC、製品の試用、アトラクション、オンラインレッスンなどは物理的な移動を排除してメタバース上で開催・実施されてきているところで、現在は若者世代を中心に利用者層が偏っているが、そうした層が今後は旅行市場の中核を占める存在となることから企業は乗り遅れないことが重要であるとしている。
現在すでに存在する活用事例として紹介されているのは、焼失したパリのノートルダム大聖堂をデジタル空間上に再現したHistoveryや、従業員のトレーニングに活用をし始めたMGMなどの取り組みなど。自分のアバターで韓国内を旅行できるZEPETO Worldやドバイのブルジュ・ハリファのバーチャル体験を再現したEventcombo、さらにMICE分野における活用例も説明されている。
将来を見通す上では、オンラインとオフラインの二項対立ではなく「旅行者ファースト」の考えでハイブリッドでの活用を目指すべきと指摘。具体的には「旅マエ」のインスピレーションと計画・予約と「旅ナカ」のエンターテイメントやショッピング、旅行者のサポートなどが有望と分析した。
例えばインスピレーションはそれだけで130億ドル規模の可能性を秘めているといい、エンターテイメントも2020年には音楽のライブイベントの市場全体に占めるメタバースの割合は0.1%に過ぎなかったが2021年にはそれが10倍以上となり、2030年には20%に達する可能性もあると予想。
記事ではその他の様々な事例や状況について解説するとともに、旅行関係企業が取るべき姿勢などについても説明されている。