HOTEL NEWS RESOURCEによると、アマデウスでHead of Corporate Strategic Projectを務めるDiego Heredia氏がメタバースへの早急な取り組みを訴えている。

「無視するなら自己責任で」と煽るようなタイトルで、仮想空間で同僚とミーティングをしたり、パートナーとのデートでライブを鑑賞したり映画アバターの中のような森を散策したりしてから旅行会社で実際の旅行を予約する、といった様子を描き、「今は現実離れしているように聞こえるかもしれないが、1994年にはインターネットもそうだった」と指摘。中長期的に見ればインターネットやソーシャルメディアを再構築して産業や社会のあり方を大きく変革すると訴えている。

市場規模でも、すでに仮想空間上のグッズの購入額は540億ドル規模にも達して音楽のそれの倍に上っているとのこと。世界3000人の調査では86%がバーチャルグッズを購入したことがあり、特に仮想空間でのファッションが人気。そしてマッキンゼーはこうした市場が2030年までに5兆ドル(約660兆円)の規模にまで拡大すると予測しているという。

また、旅行観光産業での可能性や現在の取組状況も紹介。短期的にはバーチャルツアーの充実が予測され、「メタバース上で見てみて気に入ったら実際に行く」スタイルはホテルなどで浸透し始めているほか、例えばトーマス・クックでは実際のツアーの予約が190%増加した。また時空を超えるような、実際には行けない場所、時代へのバーチャルツアーにも可能性ありとした。

さらに、旅行の販売でもリアルタイムで相手の興味に応じて世界各地の魅力を提示したり、業務渡航分野でもバーチャルやハイブリッドでのミーティングやイベントが人気となる可能性を示唆。その上で記事ではアマデウスの取り組みとともに、課題はあるものの何もしないのはリスクを伴う選択だとして協業を訴えている。

※追記 PhocusWireは1月10日、旅行観光系企業によるメタバースの取り組み事例を紹介する記事を公開した。