BTN Europeによると、企業において以前は重視されていた出張旅費の削減とそれによる出張回数の増加だが、現在ではその優先順位が下がっている。
今年2月にtClaraが実施した調査では、業務渡航に関する7つの項目について企業側が何を重視するか優先順位を聞いたところ、「出張の成功率向上」「出張者の健康と安全」「出張者の定着率向上」と続いてその次に「二酸化炭素排出量の削減」と「出張回数の削減」が並び、「コスト削減」と「出張回数の増加」は最も優先順位が低い結果となったという。
このことから記事では、「より少ない出張でより良い結果」を出すことが重要であると指摘し、そのための戦略として米国の場合で全体の20%から25%を占めるという「低価値」の出張をなくすことを提案。具体的には、単価の引き上げがカギであるとし、そうすれば低価値の出張が正当化されなくなるとともに予算内で認められる出張回数も減少し、さらに出張者のウェルビーイングの上昇やサプライヤーからのロイヤルティ向上なども期待できるとした。
このほか、出張の総排出量とそれを出張費用で割った炭素強度の指標を用いて排出量を削減すること、出張前に「出張の目的」、出張後に「どの程度成功したか」を確認することなども提案している。
なお、ウェルビーイングについてはTMC側も取り組みを強化しており、BTN Europeの別の記事では、エジェンシアが出張者のウェルビーイングのための規定を策定するのを助ける機能を開発したことを伝えている。エジェンシアはもともとエクスペディアグループの一部門だったがアメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル(Amex GBT)が昨年傘下におさめている。