コロナ前の水準への回復見通しが2年前倒しされて2024年に見直された業務渡航市場だが、ここしばらくの間でKayakやMakeMyTripなどによる取り組みについてメディア露出が増加している。
Kayakについて伝えたのはPhocusWireとSkiftで、これらによるとKayakは2019年に中小企業向けのKayak for Businessをベータ版で提供開始。企業が出張規定を事前に設定しておくことで、それに合致する範囲で航空券やホテルなどを検索、比較できるようにした。2021年7月には本格的な提供を開始し、現在では3万社以上が利用しているという。
そして、それと並行して業務渡航向けにブロックチェーン技術を活用したソリューションを開発するBlockskyeと手を組んで大手企業向けのバージョンも開発。このEnterprise版では、NDC接続による直接予約、航空会社とのクレジットカードも介さない直接決済、精算の簡素化、ロイヤルティプログラムとの連携、排出量の算出などの機能を備え、またブロックチェーンを活用することで予約のデータを一元管理できることも強みとしている。
すでにPwCが試験導入して米国のスタッフ6.5万人以上が利用して40万件以上の予約を処理してきており、今後利用を拡大していきたい考え。PhocusWireの記事中ではCEOが狙いや今後の展開についても詳しく語っている。
また、TTG Miceによると中東・北アフリカ地域における最大手のメタサーチであるWegoも、経費精算を含めた出張関連サービスを手掛けるTravelstopを買収して業務渡航分野でのプレゼンスを拡大。一方、Skiftによるとインド発のMakeMyTripも法人向けのMyBizが順調に成長。同社はもともと消費者向けの事業を中心としていたが、コロナ禍で法人向けの事業展開も強化してきたという。
このほか、米Travel Weeklyによるとオフィス用品大手のステープルズも旅行関連サービスを強化しているところ。パスポート写真の撮影やスーツケースなどの販売に加え、5年前には「TSA Precheck」の登録受付を開始。最重要顧客層である小規模企業への包括的なサービス展開を描くなかで旅行もその重要なピースとなっており、予約などの機能も視野に入れているという。
ステープルズについてはPhocusWireも記事を公開しており、ステープルズが旅行会社と手を組み店舗内に旅行カウンターを設置する試みを始めていると紹介。7月には米国トラベルアドバイザー協会(ASTA)やグローバル・ビジネストラベル・アソシエーション(GBTA)で要職を歴任したCaitlin Gomez氏を旅行事業担当の役員に迎えているところで、記事では今後の戦略などについて説明されている。