NDC体制への移行を強行して米旅行業界との対立を深めているアメリカン航空だが、travelmarket reportによると米国トラベルアドバイザー協会(ASTA)が米運輸省(DOT)に対して是正措置を求めたことに対して、新たにASTAの主張を「浅はか(frivolous)」だと評して反論した。
アメリカン航空は今年、旧来型のGDS接続から運賃の40%超を引き上げて競争力の高い運賃をNDC経由と直販に限定。また代理店契約の見直しや法人営業チームの解体などの急進的な動きも見せている。
これに対してASTAは今夏にDOTへ是正措置を訴えており、9月には英国のビジネストラベルアソシエーション(BTA)もASTAを指示することを表明している。
これに対してアメリカン航空は、ASTAの主張は消費者を守るものではなく少数の旅行会社を守るためにイノベーションを遅らせようとするものだと批判。「彼らにとってはテクノロジーの向上に投資せずに済むがゆえに、より優れているものよりもより慣れ親しんでいるもののほうが好ましい。先見性のある旅行会社は当社を支持して投資を進めている」「消費者は、投資しないことを選択する旅行代理店によって古い技術の人質にされるべきではない」などとし、自社の動きこそが顧客利便に繋がると主張している。
一方、ASTAはこれを受けて「AAの反論を精査しているが、一見して反論すべき点が多い。今後我々の考えを強く主張していく」とコメントしたという。
なお、アメリカン航空の収益のうち80%はすでにNDC経由となっており、旅行会社を通した販売でも50%超はNDC経由となっているという。