travelmarket reportによると、米国トラベルアドバイザー協会(ASTA)はこのほど米運輸省(DOT)に対してアメリカン航空のNDC体制への強引な移行が消費者や旅行会社、TMCに多大な損害をもたらしているとして早急な是正措置を求めた。

アメリカン航空はこの4月からNDC経由の接続を大幅に優遇し旅行会社との関係も見直しているところだが、ASTAはこのNDCへの移行について「不公正な取引慣行」と非難。

訴状では、「NDCは航空券発券の将来にとって大きな可能性を秘めているかもしれない」と認めつつも、その採用が航空券流通のエコシステム全体に与える影響、そしてアメリカン航空が業界に与えた影響は看過すべきではないレベルであると強調し、反トラスト法上の深刻な懸念も引き起こされていると訴え。

ASTAとDOTとの間では近々協議が予定されているといい、ASTAは進展があれば会員に報告すると説明しているという。

TRVLWIREでは7月にもNDCを巡る動向をまとめているが、それ移行でもフィンエアーが米市場でのGDSサーチャージ導入などを決定しており、今回のDOTへの働きかけによってAAの強硬姿勢が多少緩和されたとしてもNDC化の波は続々と押し寄せてきている状況だ。

ただし、会社によって「アメとムチ」の使い方は異なっており、ユナイテッド航空は今月24日にもNDCについて説明し疑問に答えるウェビナーを計画。1名に好きな目的地への往復航空券をペアでプレゼントするとして旅行会社フレンドリーな姿勢を打ち出している。