5.7億ドルでライバルのCWTを買収する計画を発表して業界を驚かせたアメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル(Amex GBT)だが、BUSINESS TRAVEL NEWS Europeによると同社CEOはTMCの世界では今後も買収や経営統合が続くと予想している。

顧客がオフラインでのサービスと高品質なテクノロジー活用の両方を求めている以上はその方向に進むのが当然との考え。同メディアのインタビューに応じたもので、「業界再編を推進するのは最終的には顧客ニーズだろう。顧客は最高のソフトウェアと最古のサービスが統合され、グローバルで一貫して提供されることを望んでいる」として、それには膨大な投資と専門知識が必要であると語ったという。

CEOは過去の事例についても触れ、テック系TMCの成長株であるNavan(旧TripActions)が当初は既存TMCの消滅を予測して事業を開始したにも関わらず2021年のReed&Mackayなど「リアルTMC」の買収を繰り返すに至ったのもその文脈と分析。また直近でも、業務渡航系のテクノロジースタートアップSpotnanaに深く関わっているConcurの共同創業者が中心となって、これまた大手TMCである米国のDirect Travelを買収したところだ。

Direct Travel買収

Spotnanaの取締役会長であるスティーブ・シン氏とその関連企業などによるDirect Travelの買収は今月になって報じられたもので、Skiftによると金額などは非公表ながら同氏らが出資してきたSpotnana、Troop、Centerというスタートアップ3社のテクノロジーとDirect Travelのシナジー創出を目指している模様。

Direct TravelはPayPalなど4500社超の顧客を年間の収益は3億ドルを超え、米Travel Weeklyによる旅行会社ランキングでは12位につけている。これまでは年率約10%の成長を続けてきたが、今後はこれを15%、20%へと引き上げられると自信を示しているという。