米Travel Weeklyがこのほど読者500人超から回答を集めたアンケート調査で、何らかの手数料を徴収していると答えた回答者の割合が71%に達した。質問はコンサルフィー、サブスク、発券手数料など中身は問わず手数料徴収の有無を聞いたもので、コロナ禍での潮目の変化が改めて確認された。
手数料を得ている側の回答者のうちコロナ禍が理由で手数料の徴収を開始した回答者は18%と少なかったものの、45%はコロナ禍をきっかけとして手数料を追加したか料率を引き上げており、コロナ禍で収益源を考え直した旅行会社が多かったことが分かる。また現時点では徴収していない側でも、検討中かどうかの質問に対し否定を回答した割合は40%のみで、34%が分からない、26%が検討中だと答えた。
米国の旅行業界ではコミッションカットが他国より早く進み、1990年前後には「フィービジネス化」が重要な議題となっていたが、それでも現在徴収している回答者のうち6年以上前からそうしてきた割合は49%に留まっており、特にこの2年間だけで31%が移行したという。
手数料徴収をしない理由では、「顧客が拒否するおそれ」が44%と最多で、2番目は「競争のため」の32%。「コミッション収入で十分」と「サービスは無料であるべきだから手数料には反対」はそれぞれ23%となった。記事中で識者は、コロナ禍で旅行会社の役割への再評価が進んだことで旅行会社側が自信を取り戻しサービスへの対価を求められるようになったと分析している。
記事では、話を聞くだけ聞き旅程を作成させて予約は自分でするような招かれざる客を排除できることなど手数料徴収のメリットも紹介されているほか、回答者が得ている手数料の内容などについても説明されている。
なお、米国トラベルアドバイザー協会(ASTA)は昨夏から会員に対して顧客からの手数料徴収を公に推奨する姿勢を打ち出している。