コロナ禍で大きく変化した働き方だが最近は社会の正常化とともにオフィス勤務を求める企業が増え、NEW YORK POSTによるとついにZoomもオフィスの近くに住む社員に出社を求めることを決めたとのこと。

オフィスから50マイル(約80km)の範囲に住む従業員に1週間あたり2日の出社を義務付けるもの。2022年1月の時点でオフィスで勤務している従業員の比率は2%のみだったという。

旅行観光産業では、リモートワークの浸透による働き方の変化を不可逆的とする意見が多く、働きながら旅するワーケーション(またはペイケーション)を当て込んだ事業展開もトレンド化しているところ。完全に元に戻ることはあり得ず、「Zoom疲れ」が反動の理由とすればさらに逆の揺り戻しも予期できるが、はたして落ち着くのはどのあたりか。

ちなみに、MICE業界でもコロナ禍ではオンライン化が進み、例えばバーチャルイベントを中心にイベントテックを手掛けるHopinは、2020年はじめに従業員がたった6人だったところから、他社を次々に買収して1年半後には45ヶ国・660人にまで拡大し一時は評価額が56.5億ドルにまで達するなど勢力図にも変化が生じてきたが、SkiftによるとそのHopinはここにきてイベント関連の事業を36.8億ドルで売却。また同じくバーチャルイベントプラットフォームのRun The Worldも別の企業に買収されたという。

ただし、バーチャルミーティングの劣勢を感じさせる話題ばかりではなく、NORTHSTAR meetings groupによるとイベントテック大手のCventはホテルなどの会議用スペースの即時予約機能と同時に、新たなウェビナー用プロダクトを発表。

Cventはバーチャルイベントについて、過大な盛り上がりは過ぎ去ったがイベント産業の重要な要素としては残ると見ており、リアルのイベントでは獲得できないリーチの開拓など目的に応じた活用が進むとの考えだ。

(※2023年8月14日09時10分追記:Skiftによると、都市部の観光当局は中心部の活性化に繋がるとしてオフィス勤務の復活をむしろ歓迎しているとのこと。)