TTGによると、英政府は9月17日、イングランドへの出入国規制の緩和を発表した。これまでは青、黄、赤(実際にはred、amber、green)の3色でリスクを色分けする「信号機」システムを採用していたが、10月4日以降はこれを廃止し高リスク国とそれ以外に分類。また、検査の要件も緩和する。

信号機システムは特に中リスクの国々の扱いで混乱を招くなどして旅行業界などから反発が相次いでいた。発表した運輸長官は、運用のコスト削減、高いワクチン接種率の有効活用、国民の安全確保を目指したものと説明したという。

新しい規制では、ワクチン接種済みで高リスク国でない国々からの入国・帰国については出発前検査が不要となり、帰国後2日目のPCR検査のみとなるほか、この検査も10月下旬以降は抗原検査に切り替えていきたい考え。

ワクチン未接種の場合は、非高リスク国からの入国であっても出発前、帰国後2日目、8日目の検査と自己隔離などの要件が残る。高リスク国については、引き続き指定ホテルでの有料隔離などが必須。

スコットランドとウェールズ、北アイルランドについては各国が独自の規制を定めるが、これまでの信号機システムの見直しでは追随しており、今回も同様の動きとなると予想されているとのこと。

今回の緩和方針に対して業界からは歓迎の声が上がっている一方、高リスク国の定義や旅行会社に対する経済支援についての注文も付いているという。

またTTGの別の記事では、米国が9月20日に、11月上旬からすべての外国人入国者に対してワクチン接種の証明と出発前72時間以内の陰性の検査結果を求めると発表したことを伝えている。これにより英国やEU各国からの入国も可能となることから、こちらも歓迎する声が多く上がっているところ。ワクチン未接種の場合は追加の検査が必要となる見通しという。