Travel Weekly Asiaによると、マレーシア全国旅行業協会(MATTA)が独自の旅行流通プラットフォーム「MATTA Online」を立ち上げた。
会員の旅行会社やツアーオペレーターのために設計したもので、AIも活用して国内外の消費者に旅行商品を販売する。「中小事業者のマーケティングや顧客とのつながりをサポート」し、また消費者には詐欺や無許可の旅行会社との取引を避けられることを売りとし、「マレーシアの観光産業をマレーシア人の手に取り戻す」考え。
現時点で150社超が300件以上の商品を登録しており、年内に300社3000件超の達成を目指す。普及に当たっては、政府が国民に提供した300リンギット(約9200円)の観光バウチャーがMATTA Onlineでのみ利用可能となっているという。
また、Skiftによると、アルゼンチンのホテルとレストランの業界団体Federación Empresaria Hotelera Gastronómica de la República Argentina (FEHGRA) も予約サイト「ReservAR Alojamiento」を立ち上げた。団体に加盟していなくても無償で利用できるもので、オンライン直販比率が低迷する現状に対する打開策として期待する。
2020年時点で、同国のホテルやホステル、リゾート、バケーションレンタルなどの宿泊業者1.7万社のうち約60%はデジタルツールを利用していなかったという。これに対して、ラテンアメリカ地域では地場のDespegarのほかグローバル大手のOTAやメタサーチ各社も進出してシェアを競っている状況。
ReservARは予約管理システムとして機能し、予約にFEHGRAは介在せず直接ホテルが取り扱う形とし、リピーター化などのマーケティング活動にも繋げる狙い。
こちらも中小や地方の企業のデジタル化支援を重視。ただし、グローバルOTAの競合を目指すものではないとはいえ、利用者を呼び込むための在庫の豊富さと、企業の参画意欲を喚起するための利用者数という「卵と鶏」問題への対処は必須。契約施設は年末までに約4000軒を目指すという。
記事ではこのほか、開発の背景や普及に向けた施策、カナダのホテル業界で2018年に始められた同様のプロジェクトなどについても紹介されている。