ハワイの旅行観光関連ニュースを取り上げているBEAT of HAWAIIは3月18日、ジョシュ・グリーン州知事が今週日本を訪れて需要喚起に取り組むことを伝えているが、このなかで昨年日本側との協議開始が報じられた事前入国審査について今年中の実現が前提となっていることが示唆されている。

具体的には、スムーズな旅行や手続きの合理化を目的とした「Travel Corridor」構想として、今年後半には羽田空港にグローバルエントリーとプレクリアランスを拡大することを含めて利便性向上に尽力するとのこと。

BEAT of HAWAIIはハワイへの国内旅行をメインテーマとしているため、円安が需要回復にブレーキをかけていて前回の州知事の来日時にも日系航空会社から2年は目覚ましい回復を望めないとの情報を得ているなかでも米本土からの需要より日本市場に注力するのはどうなのかとの論調となっており、コメント欄でもそれに賛同する声が多く見られる。

日本からの旅行者が「厚遇」される理由の一つは昨今世界中で問題となっているオーバーツーリズム問題で、今回の記事のタイトルでも「日本を訪れて思慮深い訪問者を誘致」と表現されているが、これに対しても「自分だって思いやりを持って行動している」という不満が書き込まれている。

一方でハワイでのオーバーツーリズム問題が根深い問題であることも間違いなく、BEAT of HAWAIIもかなりの頻度で取り上げているところ。上記の記事の翌日には「ハワイ観光のジレンマ:混乱のさなかでバランスを探る」と題した記事を公開しており、読者の「ハワイは観光客を必要としているが、観光客がハワイを破壊している。この問題を解決するのは難しいし、その解決策が何であっても一部の人々を不幸にする」とのコメントを紹介。変化は避けられないとして再生型観光(Regenerative Tourism)への移行の必要性に触れている。

(ちなみに、そちらの記事のコメント欄では「過密、汚染、資源の浪費、自然の破壊、住居の不足といった問題は米国のどの州にも当てはめられる。そしてハワイでは観光客が訪れて去っていくが、本土では不法に入国した人々が不法に滞在し続けている」という旨の、さらに根の深い問題を感じさせる投稿も見ることができる。)